コダックのインスタントカメラのまとめ

2009/05/23(土) 09:18:59 [カメラやフィルム] #

この「ブログ」で一番関心を持たれてゐるのはコダックのインスタントカメラについての記事である。質問も来る。外人からも来る。webで見る限り他にほとんど情報がないからだ。今までの記事を一覧とし、さらに付け加へる。


最初の話。試してみたら使へた。

フィルムについて。FI-800GTを使ふには工夫が要る(重要)

Jサイズ電池について。珍しい形だが入手可能だ。

EK8について。ドイツ製のレンジファインダーカメラ。

EK4について。コダックの特徴が最も濃いカメラ。

有名人が使つてゐるのに誰も指摘しない。可哀相なコダック。

以上がこれまでの記事。一番肝心なことを以下述べる。


コダック抜きにしてインスタント写真は語れない。ポラロイドはコダックとの関係がなければ成功することは無かったし、富士フィルムはコダックの規格を受け継いでゐる。インスタント写真といふ技術の衰退期にあつて、古びたコダックを手に、歴史を振り返り、未来を思ふのは意義深い楽しみなのだ。

ところが、今さらだけど、あまり強くは勧められない。まともに動く物が少いのである。たとへ未使用、美品でも壊れてゐる。部品が劣化してゐるのか。プラスチック部品はたしかに脆くなつてゐる。フィルム排出口の遮光板はパリパリ折れる。フィルムはそつくりの規格で作られてゐるにせよ、FI-800GTでは微妙に合ないのか、力が掛かるやうで動いてゐたのが途中で壊れてしまふ。質問を下さつた方からもその後、うまくいつたといふ報告がない(ダメだつたとはある)。ただし、Flickrには使へたといふ人(私のやり方を読んだ筈)もゐるから、全滅ではない。

また、動いたとしても、使ふ甲斐があまりない機種もある。特に後期のものではレンズが今一つだつたりする。デザインも最初の三機種(EK4、EK6、EK8)にまさるものがない。どうせ富士フィルムを使ふのだから、結果だけを求めるなら、カメラもフォトラマで良いのである。

全部を触つたわけではないが色々試した結果、比較的状態が良いものが手に入り、使つて満足したのはEK4とEK8である。

※コメント欄に貴重な情報が寄せられてゐます。ご覧下さい。

跡 跡

Kodak EK4 + Fujifilm FI-800GT(expired)


※2010年6月2日 追記:FI-800GT フィルムは2010年5月に出荷終了となつた。

Permalink | Comment: 13

Comment

EK100いじり
研究用にEK100を入手しました。
電池と使用途中のフィルムが傷んでひどい状態。惜しげもなく分解できます。
よく見ると三脚穴も。
使われ方がしのばれました。

2009/05/26(火) 11:37:36 | URL | クマ [ 編集]


中古カメラ屋のジャンク箱には、たいてい一つはあります。売れたカメラなのだとわかります。
EK100はファインダーが面白い、かな。

2009/05/26(火) 18:41:50 | URL | 汐 [ 編集]


自己現像フィルムの場合、ポラロイドの表側から感光させる方式と異なり、富士が現在でも採用している裏側から感光させる方式は、コダックが開発したものですね。
そもそもはポラロイドの特許を回避するためだったのでしょうが、結果的には画質の向上につながったのですから、コダックの開発陣は先見の明があったと思います。

2009/05/27(水) 00:31:03 | URL | 吉田 [ 編集]


露光面と鑑賞面とが同じか、反対側かで、インスタント写真が大きく分かれました。画質もさることながら、カメラの構造が大きく違つてくる。
ポラロイドが反対側からの露光の方式をどこまで考へてゐたかは知りませんが、露光面と同じ側から鑑賞するといふフィルムの構造からSX-70が生まれました。コンパクトな折り畳み式一眼レフといふ類例のないカメラができた。ポラロイドはそれで成功したのです。
コダック、富士はカメラを小さくするのに苦労してゐます。上にあげたEK4、EK8等はその苦心の結果です。SX-70のやうな「天才」は感じませんが、面白いカメラができました。
ついでに言ふと富士の最高傑作はinstax 500AFでせう。(一眼レフのMX800、MX900ACEはあくまで特殊用途のカメラです)

私は化学については無知ですので詳しく解説するのは無理にせよ、結局、なぜコダックが裁判で負けて撤退したのかを言はないと、この話しはまとまりませんね。さうすれば同時にポラロイドの発明の本質も明らかになる。
ローラーの間を通してpodをつぶし、薬液を行き渡らせるといふ構成は全く同じ、そこで特許は回避できてゐなかつた、でいいのかな。

2009/05/27(水) 22:17:20 | URL | 汐 [ 編集]


こんにちは。
コダックインスタントカメラについて、色々とお世話になりありがとうございました。

僕も結局EK4に落ち着いています。
専門的な判断はできませんが、僕も感覚的に初期レンズ(137mm, f/11)が好みである事と、なにより手動式のフィルム排出が、構造的な致命的故障のリスクを減らしてくれると思います。

僕は最初、EK300を手に入れましたが、数回撮影して、フィルムがつまり、モーターが空転しました。
分解してみたところ、なぜかモーターに一番近い2つのオレンジ色のギアのみ極端に脆く、まるで蝋細工くらいの強度です。
おそらく年数による疲労だと思いますが、ちょっとしたフィルムのつまり等で簡単に歯が飛んでしまっていました。
(代用部品があればいいのですが。。)
ただしフィルムのつまりについては、富士のカートリッジの凸部のカットを確実にしておいたほうがいいかもしれません。
僕の場合少々ラフにカットしたため、フィルムが引っかかったのも原因の一つかもしれません。。

EK6の構造は分かりませんが、いずれにせよ手動式のEK4には当然ながらそのギア部自体が存在しません。
モーター部以外はEK300もEK4も構造は似ており、ある程度部品の流用ができそうです。
僕が入手したEK4は感光する鏡面が一部はがれていましたが、歯の飛んだEK300のものが大丈夫だったので移植しました。

ちなみにEK8もそのような「オレンジ色のギア」は使われていないようですので、構造的に見てもEK4や8が比較的丈夫なのかな、と思っています。
ただしEK4や8に限って、国内では販売台数が少なかったのでしょうか、オークション等でもあまりみかけませんが。。。

とまあ、タダ同然で手に入れたEKシリーズで色々と試してますが、別に「コダックコレクター」な訳ではありません。
コダックレンズと富士フィルムで撮った写真の質感にたまらなく魅力を感じています。




2009/06/05(金) 13:55:19 | URL | 森 [ 編集]


貴重なご報告をありがたうございます。
あれは材質自体が経年劣化してゐる感じですね。
凸部のカットをし忘れて、動いてゐたものをダメにしたこともあります。
レンズの魅力とは同感です。シャープなところがあり、ボケたところがあり、また周辺で像が流れたやうになる場合もある。小さな画面のなかに。写真ならではの立体感がほどよく出ます。

2009/06/05(金) 18:43:15 | URL | 汐 [ 編集]


追記。
富士フィルム使用時の減光ですが、
前に買って使っていなかった600フィルム使用のためのSX-70用のものがサイズが丁度でした。。
どこぞで見かけた商品を真似てマグネット仕様にできないかな、と思っています。

2009/06/07(日) 15:05:49 | URL | 森 [ 編集]


NDの濃度としても、ちやうど合ひますね。
私は円く切り抜いて押込めてゐます。周囲の距離目盛が隠れないのも具合が良い。あとは、フィルム排出口の遮光板が粉々になつてしまつたので、ゴム板を切つて両面テープで貼付けてあります。

2009/06/07(日) 20:07:49 | URL | 汐 [ 編集]

すいません、質問させてください。
EK4にFI-800GTを入れて使ってみたのですがどの写真も同じ様に現像液が最後まで行き渡らないのですがこれはローラーの個体差でしょうか?

またEK4の露出についてなのですが室内、室外で明るさに関わらずシャッタースピードが変化していない気がするのですが(明暗コントロールはできます)これは仕様でしょうか?
レンズ左の窓が露出計なのかなと思っているのですが....。
スローシャッターは切れない仕様なんでしょうか。



2009/10/30(金) 11:01:41 | URL | [ 編集]


EK4はコダックの専用フィルム(PR10)を使用するやうに設計されてゐます。FI-800GTは寸法は全く同じですが厚み、薬品の流れ易さ等は、それと異なります。現像が完璧でなくて当然です。何台か試したところ像の一部が欠けるのが普通です。もちろん個体差もあります。
本来、合はないフィルムを使つてゐる割にはよく写る、と考へるべきでせう。

露出時間は変化してゐますよ。ただし1/300秒~1/20秒の範囲です(当時の雑誌広告でみた数字です)
室内など暗いところではフラッシュを使ふことが前提です。あくまで記念写真用として設計されてゐるのです。
それでもFI-800GTを使ふと、フラッシュなしで夕方の風景までは写せますね。

一方、ポラロイドSX-70では、10秒以上の露出が可能ですから、はるかに自由度がある。これは様々な用途に対応するやうに設計されてゐるからです。カメラの開発意図に違ひがあるのです。

2009/10/30(金) 23:40:47 | URL | 汐干 [ 編集]


ありがとうございます。

露出時間は変化しているんですね。
SX-70などの感覚で試していたので比べてわかりにくかっただけの様ですね。

調べてもわからなかったので助かりました。
EK4のデザインと手動のフィルム排出が魅力的なのでもう少しいろいろ試してみます。

勉強になりました、ありがとうございます!

2009/11/01(日) 00:49:31 | URL | [ 編集]


追記。
前に質問させていただいたEK4の現像液が最後まで行き渡らない問題についてですが改善できたので参考までに書き込ませて頂きます。

EK4の場合は後ろ側のローラーと固定しているフレームの間に遊びがあるのが問題のようでしたので分解してその間に0.2mmくらいの金属板をうまく挟み込んで固定するとローラー同士の間隔が狭くなって現像の問題が解決できました。フィルム排出に影響でないくらいにある程度幅を持たせた金属板をローラーの回転で滑っていかない様に両端をすこし巻いた感じにして差し込んでおくと自分の個体ではうまくいきました。

フィルム排出が手動のEK4だからできる力技かもしれませんが困っておられる方いらっしゃいましたら参考までにどうぞ。


2010/01/21(木) 00:24:59 | URL | 土 [ 編集]


貴重なお話をありがたうございます。
手動で力加減ができるだけ、多少の無理はききさうですね。

少数ではありますが、今になつても、かうして手をかけてでも使つてみようとする人がゐる。それだけ、魅力のあるカメラであります。

2010/01/23(土) 11:16:47 | URL | 汐 [ 編集]

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