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SX-70 マニピュレーションのこと

2007/07/18(水) 18:21:31 [tip] #

manipulation1manipulation2

写真に対する manipulation とは、言葉の意味からすれば手作業で改変すること全てを指す。傷をつけたり、筆などで修正・彩色したり、切り貼り・コラージュなどもマニピュレーションである。そのなかでも、SX-70フィルムに対するそれは、独特なものだつた。SX-70フィルムでは現像後間もない画像はまだ完全に定着してゐない。そこに外から力をかけることで、画像をゆがませたり、傷をつけたりすることができたのである。Polaroid社の説明:SX-70 Manipulation Issues を要約すると:

  • 期限が2006年11月以後のフィルムではマニピュレーションは上手くできない。
  • 撮影後2時間後が最良(寒いときは4時間後)
  • 温度は80から90F(26~32℃)が最良。30分間温めてからとりかかれ。

つまり、しばしば言はれるやうに現像進行中に行ふ必要はないし、その温度は、ドライヤーを使はなければならないほどでもない(使つていけないわけではない)。また、SX-70フィルムの終りに近いころ製造されたフィルムでは「マニピュレーション」はできない。もう終つた話なのだ(毎度のことだが)。

実際やつてみると難しい。現像後からの経過時間、温度、かける圧力などで効果の出方が変る。当然、圧力は使ふ道具によつて大きく違ふ。また、こすつてゐるうちに「ゆるんでくる」感じがある。それを待たずにあせると失敗するのである。厚みの極く薄い色素の層を動かすのだから、むらになる。どんなに上手くやつても、こすった後は色が淡くなる。さらに力をかけると、その下の白い層が出てくる、さらに力を入れると裏のベースの黒が現れる。力の掛け方が少し違へば、効果が違ふのである(しかも、やり直せる場合は少い)。試しにやつたくらゐで、作品になるものではない。

いちばん問題なのは、撮つた写真をどうしたいのか決めなければならないところだ(撮る前に決めておくべきだ!)。考へずにやつてゐると、自分の手の跡ばかりに目が行き、やり過ぎる。ただ崩れて、傷ついただけの汚い画面になつてしまふ。しかし考へろといはれても、私は途方に暮れるばかりなのである。

ところで、このテクニックを最初に知ったのは、多くの人と同じく、本に載つたルーカス・サマラス(Lucas Samaras) の作品による。と言つてもSX-70のことは知らなくて、これはどうやつてゐるのかと不思議であつた。サマラスは自分(裸が多い)をゆがませて、奇怪な姿にしてしまふ。気違ひじみたものであるが、子供が面白がつて遊んでゐる風でもある。もちろん単なる遊びではなくて、造形的に優れてゐる。形を崩してゐるのではなく、作り上げてゐるのである。これくらゐの人でなければ、必然性のあるマニピュレーションはできないものかと、かなり後に自分でやつてみて、つくづく思つたのだつた。

Polaroid SX-70 w.close-up lens + Time-Zero film(expired), manipulated w.teaspoon

Permalink | Comment: 6

Comment

成功の元
カメラが溶けていく写真、これはすごい!

インスタント写真が定着する前に、曲げたり折ったりして画面に染みが出てしまうことが有りました。効果的に行えれば芸術に成るんですね。失敗は成功の元。
おっと、今のフィルムでは出来ない効果なんですね。

2007/07/18(水) 22:25:28 | URL | クマ [ 編集]


これは原則的に、崩す、傷つけることをやるわけで、溶かすことはできても、形をつくつていくのは難しい。
見た目の効果は激しいものがありますけれども、自分で言ふのも何ですが、安直なことをしました。

言葉通りのマニピュレーションはどんな材料でも、何かは可能ですので、工夫次第です。
温故知新として、見て下さるとありがたく存じます。

2007/07/19(木) 10:04:52 | URL | 汐 [ 編集]


さりげなくマニピュレートされてるところが良い感じですw

ポラ社の原文読んでみましたが、最後がオモロかった。
「電子レンジやオーブンで写真を暖めるな!」って(爆)
アメリカ人ならやりそうです。やる人いる、絶対居る!チンってね。

2007/07/19(木) 11:04:35 | URL | つくちゃん [ 編集]


これでもか! とばかりに、さりげなくしてみました。

すぐに「ゆるく」なりませんから、電子レンジも分らないでもありません。ぬるく温めて、根気よく待つ、じわじわ力を掛けるのが、正しいのではありますが。
ドライヤーでしつこく温めたら、写真がぐつぐつと沸騰したので驚いたことがあります。中はまだ濡れた状態であることがよく分りました。

2007/07/19(木) 14:29:34 | URL | 汐 [ 編集]


昔 本で見た作例がアンディ・ウォーホルのシルクスクリーンのようにポップな感じだったので
ずいぶん絵画的になるんだなと思ったのですが、汐さんの左の写真はどちらかというと
ダリの絵を思い起こさせます。「記憶の固執」とか。
やり過ぎないこと、どうしたいのか考えておくことというのは意外と難しいですね。

2007/07/19(木) 21:11:49 | URL | Chou [ 編集]


ポラロイドで革新的な表現をした人と言へば、ウォーホール、ホックニー、サマラスになるでせうから、まさしく美術家の好むものであります。
かうした人たちにとつては、絵筆を持つもカメラを操るも、作品を作るといふ意味では、差はないのでせう。

写真としてのリアリティを強めるためのマニピュレーションといふのが、私の理想ですが、さてどうしたらいいのか。

2007/07/19(木) 22:12:25 | URL | 汐 [ 編集]

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