スポンサーサイト

--/--/--(--) --:--:-- [スポンサー広告] #

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Permalink | Comment(-)

ある執着

2006/08/15(火) 23:18:10 [雑談] #

朝凪

Polaroid SX-70 w.Tele-Converter x1.5 + SX-70 Film

家は海に近い。初めて来た人は、愛想半分ではあらうが、よくほめてくれる。そして、なぜだか、その言葉は英語になつたりする。窓際に立つて「ナイス・ヴュー!」と言つたピアノ教師がゐた。車を降りて「ベスト・ロケーションだなあ」と言つた税理士がゐた。

その前に住んでゐたところは酷かった。隣が墓地だつた。窓を開けて「なんだ墓場か」と、ズケズケと言はれたものだつた。そんなときは「生きてゐる人間よりはマシさ」とか「年中、花いつぱいで綺麗なもんだ」とか、冗談まじりに、でもムキになつて言ひ返したりしたものだ。それに比べれば、はるかに。

好いことばかりではない。風はたいてい湿つてゐて、ほんのひと時なら心地よくても、一日浴びては毒になりさうだ。汚れた入り海である。臭ひがする日もある。エアコンの室外機や自動車はすぐに錆びる。

冬場には、低い太陽のおかげで、目をつぶさんばかりに海は輝く。過剰な光が小さな家の端から端までを貫く。いくら日差しが欲しくても、半日カーテンを締め切るしかない。

天気が悪くて風が強い日は憂鬱である。黒ずんだ水に棘のやうな、刃物のやうな波が立つ。見るだけで心がふさぐ眺め。そのくせ、それが気になつて窓へ寄つて行つてしまふ。

Permalink | Comment: 4

Comment


変化のある自然の風景には、執着する価値があるでしょう(^^;
ウチなんか、目の前に11階建てのマンションが立ちふさがっているだけで、夜になると、そのすべての小箱の室外機が唸っているだけ。

2006/08/23(水) 03:02:19 | URL | EMTAKE [ 編集]


自然といつても人工に囲まれ、追いつめられた「自然」なのです。それでも潮の干満があり、生き物がまだ生きてゐます。
都会には都会の「自然」がありませんか? 太陽も空気もあります。EMTAKEさんの写真のなかにも、写ってゐるのではないでせうか。

2006/08/24(木) 21:35:32 | URL | 汐 [ 編集]


絶対的には、地球上の環境なので、まあ、いろんな「自然」があって、15分ほど歩けば、ヘドロで臭う川にもアオサギがいたり、大量のクマゼミもいます。
人間も人工物でさえも、或る意味では「自然」であり、むしろ「原風景」は、そっちかも知れません。とはいっても、それは、私の意識の奥に在る自然とは異なります。

2006/08/27(日) 02:05:15 | URL | EMTAKE [ 編集]


たしかにさうですね。生物に限っても都市に順応できたものは少いわけで。
自分の記憶か、御先祖様の記憶かにある風景とは違ふ。ここ二三十年の間の変化だけでも恐ろしいほどです。

2006/08/27(日) 08:58:27 | URL | 汐 [ 編集]

Post Comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

トラックバックURLはこちら

| HOME |

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。