2007/07/31(火) 13:47:21 [カメラやフィルム] #
「コダックのインスタントカメラは使へるか」の続き。全てを確認したわけではないが、コダックのインスタントカメラを動かすのに使ふ電池は単三形でなければ、Jサイズと呼ばれるものである。もう売つてゐないかと思つたら、富士フィルムのカタログにある。分類が「特殊用途電池」で型番は539。
カメラ店で取寄せたら、一個840円だつた。薄い小さな四角形で6V。単三形なら4本要るところだから、カメラを小型にするのに都合が良かつたのだらう。眺めてゐたら、ポラロイドSX-70フィルムに内蔵された電池のことを思ひ出した。似たやうな大きさである。いつからあるかは知らないが、少くともコダックがこれを採用したのは、SX-70に倣つたと想像されるのである。
製造元Energizer のサイトにデータシートだけがあつた。他にもこれを使ふ機械はあるのだらうが、何かは知らない。
Jサイズ電池を使ふ、Kodak instant camera EK160は、レンズの後に2枚のミラーを配置し、フィルム排出をカメラ下方向にした、コダックに多い光学系を備へる。固定焦点で「記念写真用」だが使ひやすく、まづまづの写り。フィルムカウンターが見当らない。何枚撮つたのか、出てきた写真を数へてばかりになる。
Kodak EK160 + Fujifilm FI-800GT(expired)
2007/07/26(木) 21:12:29 [polagram] #
カメラから離れない虫。とりあへずムサシと呼んでゐる。何をやつてゐるか分らなくて知りたいならば七月十九日のコメント欄を見てください。
Polaroid I-zone + Pocket film(expired)
2007/07/18(水) 18:21:31 [tip] #
写真に対する manipulation とは、言葉の意味からすれば手作業で改変すること全てを指す。傷をつけたり、筆などで修正・彩色したり、切り貼り・コラージュなどもマニピュレーションである。そのなかでも、SX-70フィルムに対するそれは、独特なものだつた。SX-70フィルムでは現像後間もない画像はまだ完全に定着してゐない。そこに外から力をかけることで、画像をゆがませたり、傷をつけたりすることができたのである。Polaroid社の説明:SX-70 Manipulation Issues を要約すると:
つまり、しばしば言はれるやうに現像進行中に行ふ必要はないし、その温度は、ドライヤーを使はなければならないほどでもない(使つていけないわけではない)。また、SX-70フィルムの終りに近いころ製造されたフィルムでは「マニピュレーション」はできない。もう終つた話なのだ(毎度のことだが)。
実際やつてみると難しい。現像後からの経過時間、温度、かける圧力などで効果の出方が変る。当然、圧力は使ふ道具によつて大きく違ふ。また、こすつてゐるうちに「ゆるんでくる」感じがある。それを待たずにあせると失敗するのである。厚みの極く薄い色素の層を動かすのだから、むらになる。どんなに上手くやつても、こすった後は色が淡くなる。さらに力をかけると、その下の白い層が出てくる、さらに力を入れると裏のベースの黒が現れる。力の掛け方が少し違へば、効果が違ふのである(しかも、やり直せる場合は少い)。試しにやつたくらゐで、作品になるものではない。
いちばん問題なのは、撮つた写真をどうしたいのか決めなければならないところだ(撮る前に決めておくべきだ!)。考へずにやつてゐると、自分の手の跡ばかりに目が行き、やり過ぎる。ただ崩れて、傷ついただけの汚い画面になつてしまふ。しかし考へろといはれても、私は途方に暮れるばかりなのである。
ところで、このテクニックを最初に知ったのは、多くの人と同じく、本に載つたルーカス・サマラス(Lucas Samaras) の作品による。と言つてもSX-70のことは知らなくて、これはどうやつてゐるのかと不思議であつた。サマラスは自分(裸が多い)をゆがませて、奇怪な姿にしてしまふ。気違ひじみたものであるが、子供が面白がつて遊んでゐる風でもある。もちろん単なる遊びではなくて、造形的に優れてゐる。形を崩してゐるのではなく、作り上げてゐるのである。これくらゐの人でなければ、必然性のあるマニピュレーションはできないものかと、かなり後に自分でやつてみて、つくづく思つたのだつた。
Polaroid SX-70 w.close-up lens + Time-Zero film(expired), manipulated w.teaspoon
いつだつたか、早くに夕飯を食つてゐたら、窓から、鳶と鴉とが喧嘩をしてゐるのが見えた。翌朝ゴミを捨てに行く途中、道の脇の植込に鳶の羽根が落ちてゐたので拾つたのだつた。放り出してあつたのを写してみた。
Polaroid SX-70 w.close-up lens + SX-70 Time-Zero film(expired)
颱風は去つたが、風が強い。何か打上げられてゐないかと浜へ出る。どこかの岸からきた根ごと抜けた草、何かの卵、生き物の死骸、塵芥、塵芥、取り立てて面白くもなくて、おまけに一枚撮つたそばから飛ばれて、波間に消えてしまふ。
低く砕ける波、半裸のブラジル人、とんぼの群、蝉の声。
Polaroid SX-70 + 600 film
2007/07/03(火) 21:48:51 [カメラやフィルム] #
コダックがインスタント写真から撤退したのは二十年前である。ポラロイドとの裁判に負けたことは今でも有名である。時は流れて、そのポラロイドも、インスタントカメラを作るのをやめてしまつた。そこで、といふわけでもないが、コダックのインスタントカメラを使つてみた。いまだに中古カメラ屋のジャンク箱には多い。オークションにも絶え間なく出てくる。何台か手に入れていけば、動くものもある。
しかしカメラに合ふフィルムが無い。無いことになつてゐる。元々のコダックのフィルム、PR10はとつくの昔に消えた。互換性のあるフジのFI-10、FI-10LTも製造中止となつて久しい。ここで諦める人は多いみたいだが、何のことはない、FI-800GTが使へるのだ。600フィルムがSX-70で使へるのと同じである。引つ掛るところを削つて、押込む。感度補正にレンズに適当なNDフィルターを貼る。(話の順序としては逆になるが、とうぜん初期のフォトラマ、Fシステムでも、同様にFI-800GTは使へる。)
前から、使へるといふ見当はつけておいたが、やつとまともな写真が撮れた。カメラで、てこずつてゐた。KODAK INSTANT CAMERA EK8は、かなり面白いカメラである。しかし、これがなかなか曲者だつた。それはいづれ詳しく。ともかく、コダックのインスタントカメラはまだ使へるといふのが、結論である。
※以下リンクも参照:
Kodak EK8 + Fujifilm FI-800GT film(expired)
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Author:汐ヒ
海辺の小さな町で小さな写真を撮ります。
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