港の外れに棄てられた漁船が見るたびに原形を失つて行く。そこに、だんだんと新たな形が現れて来る。
たしかに初めて見たときから、いくらかほつれてゐたが、ここまでになるとは。
Fujifilm Fotorama Robo Ace + Ace film
干潟では小さな巻貝が、沙蚕にたかつてゐる。食はれるはうは、断末魔の踊り。
臓物のやうなものが、あちらこちらに打上げられてゐる。口らしきものがそれぞれ動く。初めてみる生物。何かは知らない。かなりグロテスクで、なかなか面白い。
Polaroid SX-70 + SX-70 film(expired)
いつもの貯木場に来たのは日が沈みかけたころ。日輪は雲に霞んで、丸太が帯びる光も幽かである。その間の水はすでに闇のやうだ。木材と呼ばれるそれらも、かつて大地に立ち、生きてゐたのだから、ここは死に満ちた場所か。腹這ひになつて、光を探しながら、木と水に近づく。さうしてゐるうちに黒い水のなかに小さく白つぽいものが、犇めき、漂つてゐるのに気がつく。白い十字を上にして息づくやうに開いたり、閉ぢたりする、やつと硬貨よりも一回り大きくなつたくらゐの、水母だ。岸のどこから下を見ても、それらが群れてゐたのである。
Polaroid SX-70 + 600 film
2007/04/15(日) 21:12:12 [カメラやフィルム] #
ジョイカムのフィルムは最初、95フィルムといふ名前だつた。あまり気にしないうちに、500フィルムと名前が変つてゐた。すでに一眼レフのジョイカムが終つてヒッパレーが売られてゐた頃、2000年発行のカタログを見ても、まだ95フィルムである。405も増えたのは最近なのだ。いつだつたか、ジョイカムのフィルムが改良されたといふ雑誌記事を見た憶えはあるし、使つてみたらなるほど色が良くなつたやうだと感じたこともある。
この写真は今日撮つたもので、六年前に有効期限が切れてゐる95フィルムである。期限切れらしい色ではあるが六年前とは思へない。それどころか何だか優しげな風情なのである。ちやんと十枚目まで引つ掛ることなく使へた。手に入れたのは最近だから、どんな保管をされてゐたかは知らない。それにしても期限切れフィルムのことは何度か話題にしてゐるが、奥が深いといふより、よく分らないのである。
Polaroid Joycam + 95 film(expired) ; w. Close-Up Lens
風が強く、影は濃い。水は黒く見えて、沖では波が白い皺のやうだ。
突風に指先から飛ばされたものを追ふ。それを拾ひ上げるときに、自分がここに来る前から落ちてゐた物と思はうとする。
あと一歩動くと飛沫がかかるところで、波が船と光を揺らすのを眺める。
Polaroid SX-70 + SX-70 film(expired) ; EE100 Special + Type 669(expired)
この花を見れば多くの人が感じることを感じて、カメラを持つ人の多くがやることをしたくなる。美しいものを美しく、季節毎のきまり切つた写真だつて楽しいものだ。しかし、さんざん目に刷り込まれた「桜の写真」をなぞらうとして、なぞり損ねるのが落ちなのである。発見はない。
自分があてにならないなら機械任せに撮つてみる。ただ花にカメラを押し付けるだけ。枝を選ぶうち花瓣の輝きに目が眩んで文字通り闇雲に。見知らぬ桜花は写つたか。
Fujifilm Instax 500AF w. Close-Up Kit + Instax film
海岸をふさぐ柵にたいてい破れがあるのは、釣り人の仕業である。だれもゐなければ、そこを進んでみることもある。
海水が絶えず材木にかけられる。風向きが変れば、それをかぶることもある。
風が強くなつて壁に張り付きながら歩く。
Polaroid SX-70 + 600 film
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Author:汐ヒ
海辺の小さな町で小さな写真を撮ります。
カメラ、フィルムなどに関する質問などもどうぞ。インスタント写真の楽しみが、多くの人にひろがることを願つてゐます。
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