迷路のやうな狭い路地を歩いて見つけた板壁。まだ動いてゐる工場である。
迷路のなかは、静かだけれど、人の気配に満ちてゐる。曲り角から不意に現れたり、窓から顔を出してゐたり。小さな写真では、雰囲気を伝へるのが難しい。
古い石垣が残つてゐる家がある。山や海で拾ひあつめた石を積んだのだらう。
Polaroid ProCam + Image film
2007/01/24(水) 21:37:36 [polagram] #
ちよつと間が空いた。撮つてゐなかつたわけではないが、それがつまらないのである。行詰るといふほど大層なものでは、元よりないが。
で、気分を変へて、金魚と一緒に暗室に入つてみた。闇のなかでスイッチを押すだけである。絵柄は魚まかせ。気晴らしにはいい。
Polaroid 600 film
岸を辿る道では、澄みきった空気のなかで、足もとの小石すら、意味あり気な影を伸す。切り崩された崖に引かれた赤い線が、自分の歩みとともに形を変へてゆく。
堤防の上で俯いてゐるのに、それを見上げてゐるやうな心地がしてくる。風が強まり、雲が太陽を隠す。遠くの丘はまだ燦然としてゐるのに、自分の周りだけが暗くなつて、にはかに怖くなる。
Polaroid Spectra Pro + Image film ; SX-70 + SX-70 film
河岸がそのまま岸壁になつてゐて、船がずらりと並ぶ。出漁の準備にとりかかる漁師もちらほらゐる頃。
太陽が薄い雲に隠れると、その青は、空の青とひと続きになつたやうに見える。
Polaroid Spectra Pro + Image film
風もなく日差しは柔らかい。遠くは霞んで、近くばかりが強く見える。目をこらしてゐるうちに、かへつて翳りを帯びてくると感じるほどに明るい色がある。
夏の残滓は無惨なばかりで、それから目を背ければ、これといつて見るべきものもない、冬の海水浴場。それでも今日は、散歩する人も少くはないほど、暖い。
棄てられてからどれだけたつたか知れぬほどの建物へ、気の進まぬまま。散らばつたガラスの破片と入り込んだ砂を踏みしめ、海を見おろす部屋を歩きまはりながら、かつて誰かがこの窓に向つて抱いた感興を思ふ。
Polaroid Spectra Pro + Image film ; SX-70 + SX-70 Blend flim
峠を越えて西日のあたる岸へ出る。角を曲つた途端に強い風を浴びる。
人目を避けるやうに堤防の上や細い抜け道を歩いてゐるみたいだが、日の当る場所を選んで進んでゐるのだ。
物の形と、その影の形と。
造船所の裏手で回りつづけるものを眺める。
Polaroid SX-70 + SX-70 film ; Spectra Pro + Image film
寒いがよく晴れた日には、影や色に惹かれる。用のついでに自転車に乗つてひとつ向うの港へ。
外れに使はれぬまま荒れた倉庫があつた。扉が開いてゐたので中をのぞくと菓子など食べ散らかした跡。子供が入り込んだやうだ。
Polaroid SX-70 + SX-70 film
午前中は雪が舞つたが、昼下りにはやうやく青空。しかし風は強く、冷たい。何かが這つた跡を見つけるが、正体は分らない。鳥がしきりと漁るものか。
長い防波堤のさきまで歩いてみたが、進むほど風は強まり、足をあげるたびによろけてしまふ。どうにか、今日最後の光を浴びる灯台を見上げて、引き返す。
Polaroid SX-70 w.Tele-Converter x1.5 + SX-70 film ; JoyCam + 500 film
短い時間、潮が満ちはじめた渚を歩く。その日にしか見られない何かを探すが、何があるわけでもない狭い砂浜。馬刀貝の貝殻がかたまつてちらばつてゐる。かもめやちどりが何かを啄ばんでゐる。
Polaroid SX-70 + SX-70 film
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Author:汐ヒ
海辺の小さな町で小さな写真を撮ります。
カメラ、フィルムなどに関する質問などもどうぞ。インスタント写真の楽しみが、多くの人にひろがることを願つてゐます。
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