錨など
Fujifilm Fotorama Slim Ace + Ace Film
その場で撮りたいやうに撮るのだが、小さな写真を作るときは、画面のなかを出来る限り単純にするのが、見栄えよくするためには好いやうだ。ほとんど証明写真の要領だ。決りといふものではない。これなんかは四枚分くらゐの物が写り込んでゐるが、つまりそれをひとまとまりとして見た、といふことだ。ちよつと拡大すると違つてみえる。(→拡大画像)
Fujifilm Fotorama Slim Ace + Ace Film
その場で撮りたいやうに撮るのだが、小さな写真を作るときは、画面のなかを出来る限り単純にするのが、見栄えよくするためには好いやうだ。ほとんど証明写真の要領だ。決りといふものではない。これなんかは四枚分くらゐの物が写り込んでゐるが、つまりそれをひとまとまりとして見た、といふことだ。ちよつと拡大すると違つてみえる。(→拡大画像)
Polaroid SX-70 + SX-70 Film
渚づたひに歩いて行くと、海へ向つて大きな扉を持つ建物があつた。その前には船の残骸が草に埋もれてゐる。壁が落ちてゐる。中を見ると焼跡である。
ぼんやり眺めてゐたが、ここでかつて、つらいめに遭つた人がゐたことに思ひいたると、カメラを向けるのが後ろめたくなつてきた。もう長く、このままなのだらうが。
Polaroid SX-70 + SX-70 Film
昨日今日とS島へ出掛けた。家を出て一時間で着いてしまふ所。同じ湾の違ふ岸辺に立つて、さらにそこで眠つてみるといふ試み。海水浴場にはここも大量のアヲサが流れついてゐる。膝までつかつたところで諦める。そこらを歩き回つて、疲れ果てる。
民宿で魚魚魚の料理に満足したが、あとがいけない。死ぬほど寝苦しい。風は悪くないが、昼間に体にため込んだ熱に焦げるやうな心地である。
今日は少し歩いたところで気が遠くなつた。喫茶店に入り、かき氷でひたすら冷す。秋になつたら、また来ると決めて、昼過ぎの船で早々に帰つた。
Fuji Fotorama MX800 + FI-800GT Film
動きまはるだけが動物ではなくて、じッとその場にゐるものもある。ただ潮が満ちてくるのを待つて、岩に張り付いてゐる飴玉のやうな生き物がゐる。日に焼かれる間は手も足も出さず、丸くなつてゐる。
Polaroid SX-70 w.Tele-Converter x1.5 + SX-70 Film
家は海に近い。初めて来た人は、愛想半分ではあらうが、よくほめてくれる。そして、なぜだか、その言葉は英語になつたりする。窓際に立つて「ナイス・ヴュー!」と言つたピアノ教師がゐた。車を降りて「ベスト・ロケーションだなあ」と言つた税理士がゐた。
2006/08/15(火) 01:14:39 [写真集] #
名古屋へ行つて、masacova!の写真展を見た。マサコヴァと読むのか、写真家の名前(雅号)ださうで。『ポラロイドライフ』で紹介されてゐるのは知つてゐたが、実際実物のプリントを見たら、思つた以上に美しい。600フィルム、スペクトラフィルム、ジョイカムフィルムと三種類が、額縁のガラスの中、ゆるく波打つ光沢、目に優しい色と諧調を湛へる。写真集の発売記念を兼ねてゐて、そこに本も並ぶ。
なかなか、かうは行かないものだ、と私が言ふのも何だけれど、その場で現像からプリントまで自動でしてしまふポラロイドで、整つたひとまとまりの写真を作るのは難しい。カメラ・フィルムの特性を経験的に把握し、撮影をする光や温度の条件をよく選んでゐるとは写真集にも説明があつて、それはさうだらうと納得である。
もちろんここで撮られたアメリカ(やメキシコ)は、多くの写真家によつて撮り尽くされたものではあるが、この人の、風景や人や生き物を愛ほしむ撮り方は好いな。どうして、この風景に惹かれたのか、そのあたりも察せられる。
ところで、本の帯にある「懐しい」とか「ノスタルジック」の言葉に違和感を覚える。日本に渡つてきたアメリカ人が書いたのか?
ある写真に郷愁を覚えるのも、異国情緒を感じるのも見る人の立場・経験によることだ。これは日本人が作つて、まづは日本人に売られる本でせう。masacova!さんだつて、初めて行つて、映画なんかで見たままの風景だつたのに感動した、と本のなかで言つてゐる。誰にとつて、どこがどう、nostalgic なのやら。
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Polaroid ProCam + Spectra Film
五時も過ぎれば泳ぐ人もまばらになる。私は元より泳がない。毎日見てゐると、さういふ気にはならない。そんな海ではないだらう、と呟くこともはばかられるのは、客商売する人には知合ひもゐるから。
まあ、アヲサに濁る波に身を浸せば、確実に分ることだつた。
月が美しかつたが、写してあまり楽しくない。これなんか別に太陽でも、かまはないではないか。雲がないから、人工の燈火でも同じ。目に見える大きさで、月が月らしく写つてゐる写真は、意外と難しいのか。
元よりポラロイドカメラで本格的な夜景は難しい。一番使へるカメラ(690)でも、レンズはF8、露出時間は15秒まで、感度がISO600、ミラーでの光量損失もあるだらう。(剥離式は別)
(8月28日追記:Spectra Pro は2分間までの手動設定またはバルブによる露光が可能である; '07年7月16日追記:SX-70等でもバルブ撮影をする方法はある)
海に月光が反射してゐるところも写した。ゴーストが派手に出てゐる(上のはそれを予期して月を真ん中にしてある)。それはそれとしても面白くない。月の高さ、雲の条件がよくて、そこに船でもあれば何とか。月の出始めから待つしかないが、そこまでする気は今のところ、なし。
600フィルムでは月は黄色く写ることが分る。これがSX-70フィルムならば青くなる。ただし、感度が低いからさらにやりにくい。
Polaroid 690 + 600 film
Polaroid ProCam + Spectra Film
颱風が近づいて、空には黒い雲が累々と積み重なつて行く。ただ動きは速く、沈まんとする太陽が姿を見せた。すると空全体が金色を帯びて、町も海も風もその色に染められた。沈んだ太陽を背に、初めてみる色の海を望めば、雨粒と波の飛沫が降りかかつた。
Polaroid JoyCam + 500 Film
涼を求めがてら山里の観音様を訪ねる。古刹の境内には、もう櫓が組まれてゐた。真昼の光にプラスチックの提灯が浮んでゐる。やがて念佛踊りに迎へられるものもかくや。
お参りをすませて、参道を戻り、向うの峰を望む。入道雲が二つ聳えてゐた。まるで兄弟のやうに。
Polaroid ProCam + Spectra Film
風は弱く、遠くは霞んで、落日も優しく輝く。波の上に仄かに紅い道。岩陰の裂目に並んで張り付いた貝が目のやうに見える。もう焼け焦げたやうになつてしまつた浜独活が、あちらこちらに。
太陽は空の途中で雲に隠れてしまつたが、紫がかつた光が天の全体から降りてくる。足下の波、通り過ぎる鴎の声、姿が見えない漁船のエンジンの唸り。
Polaroid SX-70 + SX-70 Film
午後になつてやうやく晴れたと思つたら、夕方には雲が薄くひろがつて、描かれた星が輝くこともない。
Polaroid 690 + 600 Film
鉄にたかる甲殻類を染める色が、空に映ることもない。
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Author:汐ヒ
海辺の小さな町で小さな写真を撮ります。
カメラ、フィルムなどに関する質問などもどうぞ。インスタント写真の楽しみが、多くの人にひろがることを願つてゐます。
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